医療格差は、住んでいる地方や金銭的な状況の違いにより、万人が等しいレベルの医療が受けられない状況のことを言いますが、高齢社会や地方の過疎化、所得格差の拡大など、多くの社会問題を含んだものであると言えます。
今一番言われていることが地方の医師不足の問題ですが、「卒後臨床研修制度」という制度の必修化の開始により大学病院の医師の引き上げなど様々な問題が絡んだ末に起こってしまっている現状のようです。こればかりは医療を受ける側としてはどうしようもないため、国の政策が変わることや新しい対策を打ち出すことなどに期待するしかありません。
医師の仕事の公共性を維持するための原資は健康保険制度です。高齢社会の進展から、制度の維持の限界を指摘する意見が出ていますが、医療現場を見ていると必要の無い給付も相当見受けられ、保険財政向上の足かせになっているように思われます。保険料収入の増加が見込めないのであれば、保険診療の審査基準を厳しくしたり、国税の投入など今以上に行うべきです。
国民皆保険制度が無いアメリカでは、医療費に対するリスクヘッジは民間の医療保険に加入するしか方法がありません。所得が無いと命も助からないというのは間違った状態です。医療格差への対策と健康保険制度の維持を目的として、一人一人が健康に留意し、無駄な給付を抑えることが重要です。受診が少なくなれば社会全体の医療費負担は軽くなり、医療格差の改善に繋がるでしょう。